東急大井町線の等々力駅を降りると、100mも歩かないうちに等々力渓谷へ降りる階段に出る。
駅を出ると雰囲気のある食事処がある。
等々力渓谷は多摩川の支流矢沢川が多摩川に合流する手前の1Km程の渓谷で、国分寺崖線を侵食することで出来た渓谷で、武蔵野台地の南端にあたる。
ゴルフ橋の右手に等々力渓谷に下りる石段がある。
ゴルフ橋の下側。
等々力渓谷の水の流れはあくまで澄み渡り、水底の小さな石の転がる姿まで確認できる、という訳にはいかず。
公園として整備されているため渓谷とはいえ遊歩道が整備されて歩きやすい。
竹の枝が水面に届きそうな位、垂れ下がっている。紅葉の季節と桜の季節は特に人気が高い。
夏の涼を求めての散策も人気がある。
遊歩道は小さな小橋で矢沢川の右岸に移る。
環状8号線の下を矢沢川は流れている。
潜水橋があってその先に普通の橋もある。ここを渡って左岸に行くと古墳群があり等々力渓谷第3号横穴古墳は保存されている。
等々力渓谷第3号横穴古墳がありガラスで保護された入口から中を眺めることが出来る。
古墳の内部をフラッシュ撮影してみた。撮影用の穴も開いていて、照明もあるのでそちらでも綺麗に写すことが出来る。
第1号古墳と第2号古墳は古墳跡として石標が建っていた。
渓谷を歩いているうちに等々力不動尊境内と記された古ぼけた標識がある。
稚児大師御影堂があって稚児大師像が正面に鎮座しておられる。
稚児大師御影堂を過ぎるとすぐに不動の滝がある池と傍らに稲荷がある。
渓谷内には30箇所を越える湧水が確認されていて、山伏が滝に打たれて修行したと伝えられる不動の滝の2本の水が池に落ち込んでいる。
滝といっても細い竹筒が岩から出ている状態で水量はわずか。
ここで修行したと聞いていたので最初見たときは、そのささやかさに驚いた。
等々力渓谷から等々力不動尊へ登る階段の途中に、ここで?と思うくらい窮屈な場所だが、山伏である役の行者の修行したと伝えられる神変窟がある。
今はブロックとコンクリートで作られた神変窟。
石段を登っていくと紅葉の影に等々力不動尊の舞台が見えてきた。
見晴らしの良い舞台も付いていて武蔵野台地からの小さな景色を楽しめる。
階段を再び登って行くと等々力不動尊がある。
等々力不動尊の向かいには5,6世紀のものと推測される御岳山古墳があり、鍵が開いていれば古墳の上まで登ることもできる。
再び等々力渓谷まで石段を降りて少しだけ下流に進むと日本庭園への入口がある。こちらは小さな方の入口で正面入口は少し左手になる。
日本庭園に入るとすぐに湧水が出ている場所が竹の柵で保護されていた。
等々力渓谷は東京の名湧水57選に選ばれている。
57選に選ばれているよりも、名湧水だけで57箇所もある事の方の驚きが大きい。
等々力渓谷は日本庭園も整備されて公園としても見所のある場所となりつつある。
日本庭園を散策するうちに庭園の正面玄関に出た。
日本庭園のところで渓谷の趣は終わり、景色は開けて通常の住宅地の様相となる。
矢沢川の右岸から左岸に小さな橋を渡って道は変わる。
川の流れは川の流れに堰き止められる不思議は場所。川と川が十字に交差してポンプで川の水を定期的に上げながら流している。ここで矢沢川に沿って走っていた道は途絶えるので多摩川に出れる右に曲がる。
多摩川の堤防に到着。多摩堤通りが堤防の上を走っていて歩くことは難しいので、通りを横切り多摩川の河川敷に入ると散歩道としても歩きやすい。東急田園都市線の二子玉川駅まではすぐ。